THE FORTNUM'S DUNKIPEDIA

ビスケットを紅茶に浸す「ダンキング(DUNKING)」の極意と歴史

「ダンキング(DUNKING)」とは、イギリスで長年愛されているビスケットを紅茶に浸す食べ方を指します。

紅茶とビスケットはお互いのために生まれたようなもの。おやつのひと時にはセットで楽しむのが一番です。数週間にわたるビスケットにまみれた甘々な実験の日々の末、皆様を素晴らしき「ダンキング」の世界にご招待します―「ダンキング」の美学を讃えるべく! 

 実際、ビスケットをカップの紅茶に浸すという行為には、味わいと食感を強める効果があります。「ダンキング」の達人の中には、「ダンキング」をすると心が落ち着き、さらにはリラックス効果があるとまで言う人もいるかもしれません。「ダンキング」による利点と「ダンキング」する時間はビスケットにより異なり、さらに言えば、「ダンキング」をしない方が良いビスケットがあることも今回の実験で判明しました。

 ピカデリービスケット(ステムジンジャー)のような歯ごたえのある固めのビスケットは、「ダンキング」をすることで柔らかい食感になり、なおかつジンジャーの風味がよりなめらかに引き出されます。対照的に、ショートブレッド(トラディショナル)のようなバターが強いビスケットは、紅茶を吸収しやすいので、「ダンキング」すると優しく溶けていき、クリーミーで贅沢なテクスチャーをお楽しみいただけます―文字通り口の中でとろける感覚です。

 勿論、「ダンキング」をすることには一定のリスクが伴います。ビスケットをお茶に浸し続けるとお茶が完全にビスケットに勝ってしまうので、それは避けたいものでしょう。だからこそ、この「ダンキペディア(DUNKIPEDIA)」が皆様にベストな浸し時間、各ビスケットと合わせるべきペアリングの紅茶をお教えします。ここでご紹介するものは全て、私たちが実際に浸して、食べて、試してきた結果です。

でもその前に、数世紀戻って「ダンキング」のはじまりについて見てみましょう。

HISTORY OF DUNKING

ビスケットを「ダンキング」することの起源は、16世紀の英国海軍の歴史にあります。船員達は、長期間の船旅でも日持ちのする固い乾燥ビスケットを支給されていましたが、これは水やスープといった液体無しには食べられない代物でした。

 しかし、19世紀には状況が変化します。ヴィクトリア朝中期に登場したアフタヌーンティーにより、ビスケットは紅茶に浸しても良いものとみなされるようになったのです。伝統的にイギリスのいわゆる上流階級にとって「ダンキング」は眉をひそめられるような振る舞いでした―子供や労働者階級の振る舞いだと認識されていたのです(赤ちゃんの多くが離乳食としてミルクに浸したパンを食べていました―そして伝統的に赤ちゃん用のビスケットもまた、温めた、あるいは冷たい牛乳に浸して食べるのが一般的でした)。

 とはいえ、ヴィクトリア女王自身がビスケットを「ダンキング」するのを好んだと言われています。これはドイツ系の家族から受け継いだドイツの慣習、あるいはセント・ジェームズの紳士クラブのビスケットをワインに浸したりマデイラケーキをマデイラワインに浸したりする伝統から来ているとされています。

TIME TO DUNK

ミュージカルビスケット(ミニラウンドアバウト)

「ダンキング」への適性の高さからチーム内で推す声も多いビスケット。このキャラメル入りビスケットは「ダンキング」で絶妙な柔らかさになり、裏面のチョコレートコーティングがほんの少し溶け出します。そして美味しそうなチョコがついた指が最後に残ります。

ベストダンクタイム:約8-10秒
ダンキングパートナー:アッサムTGFOP

購入はこちら

ピスタチオ&クロテッドクリームビスケット

このビスケットを柔らかくしようという無駄な試みのもと、永遠に思えるほどの時間「ダンキング」を行った結果、中には「ダンキング」には向いていないビスケットもあると認めざるを得なくなりました。腹立たしいほどのザクザクっぷりです。

ベストダンクタイム:無限
ダンキングパートナー:このビスケットには不要です。

購入はこちら

ショートブレッド(トラディショナル)

その密度と分厚さのため、ダンク時間は長めです。ショートブレッドの表面にまぶされた砂糖が溶けて、バターたっぷりの生地は口の中でほとんどクリーミーな食感に変わります。

ベストダンクタイム:10秒
ダンキングパートナー:セレブレーションティー

購入はこちら